CDA資格は更新すべきか

資格・勉強
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キャリアカウンセラーの資格としてはメジャーな資格と思われる、CDA資格。
今回は約10年間にわたって所持をしてきたCDA資格の更新をしなかった件について書いてみたいと思います。

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CDAとは

まずは、改めてCDA資格とは何か?という点についてまとめたいと思います

CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格は、日本キャリア開発協会JCDAと言います)が認定している
キャリアカウンセラーの民間資格です。
今はキャリアコンサルタントという国家資格がありますので、存在感は弱くなってしまっている印象ですが、国家資格が2016年4月に創設される以前においてはキャリアコンサルタント系資格としては特にメジャーな資格だったと思います。
企業の人事担当者や大学のキャリアカウンセラーさんにはお馴染みの資格かと思います。
キャリアカウンセリングの知識や技能を証明する手段としてはとても有効な資格でしたし、私がかつての仕事でお世話になった
証券会社の人事担当者の方は、資格を取得した後、各営業会社の社員の方のカウンセリングのため全国出張していました。
職場内カウンセラーの役割も担っていたのですね。

では。

どうやって CDA資格を取得できるか?について。
この点、国家資格キャリアコンサルタントが創設された影響で私が資格を取得した当時と今では状況が変わってきています。

現在は以下①、②のどちらかの条件を満たした上で「CDA会員」としてJCDAに入会することで「CDA」と名乗ることが
できるようになっています。

① JCDAが認定するCDA養成カリキュラムを修了し、かつ国家資格キャリアコンサルタント資格試験の学科試験および実技試験を合格すること

② ①以外の方法でのキャリアコンサルタント国家資格を取得、またはキャリアコンサルティング技能検定(1級、2級)に合格、または平成28年3月以前に標準レベルキャリア・コンサルタント資格を取得した上でJCDAが指定する講座を受講すること。

要は、JCDAの講座の受講は必須であり、その上で、国家資格のキャリアコンサルタント試験かそれに相当する試験の合格が必要ということですね。
ちなみに、JCDAは国家資格キャリアコンサルタントの登録試験機関として、国家資格キャリアコンサルタント試験も実施しています。

2015年度まではCDA専用の試験があったのですが、国家資格キャリアコンサルタントの試験に置き換えられました。
逆にいえば、国家資格の合格と合わせてCDA資格の取得ができようにもなったので一石二鳥ということですね。
ちなみに、CDA専用試験実施当時の合格率は概ね1次の筆記試験が50%で2次の実技試験が40%くらいでした。

ところで、国家資格キャリアコンサルタント試験を受験するためにも養成講習の受講が義務付けられています。
JCDAが認定するCDA養成カリキュラムは、そのキャリアコンサルタント養成講習としても認定されていますので、国家資格とあわせてCDA資格も取得したいという人はJCDA認定の養成講座を受講するとよいですね。
CDA養成講座は日本マンパワーで開講されています。
私もCDA資格受講時にはお世話になりました。
養成講座の価格は約35万円くらいかかるので、1つの講座で2つの資格取得ができるのであれば経済的です。

CDA資格=国家資格キャリアコンサルタントではありませんが、事実上、CDA資格には、国家資格キャリアコンサルタントが含まれる
ている状況です。

さて。

国家資格が創設された今、わざわざCDA資格も取得する必要性ってあるのでしょうか。

CDA資格はキャリアコンサルタント系資格ではメジャーな存在だと思いますが、国家資格のインパクトは大きかったですね。

CDA資格の認定が開始されたのは2000年で、実はその歴史はそこまで長くはないんですね。
とはいえ、国家資格キャリアコンサルタントが創設されるまで、国のキャリア・コンサルタント能力評価試験の一つとして指定されていました(2002年~2016年)し、約2万人のCDA資格保有者がいます。
加えて、JCDA には、9 つの支部と33 の地区があることからしても決して存在は小さくないですね。
会員になっていると立派な会報が送られてくるのですが、会員がボランティアで支部・地区の企画・運営をし様々な活動をしている状況が伝えられています。
この大きなコミュニティは魅力かもしれません。

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JCDA(日本キャリア開発協会)とは

CDA資格とは何かがわかったところで、その認定団体であるJCDAとはどんな団体か?という点も抑えておきましょう。

JCDAとはどんな団体か。

一言でいえば、キャリアカウンセリングの普及に努めている約2万人の会員で構成されるNPO法人といったらよいでしょうか。

JCDAは設立当初から、「キャリアカウンセリング機能を社会システムとして具現化する」というビジョンのもって活動しているんですね。

そのための具体的な活動として、キャリアカウンセラー資格であるCDA資格を認定したり、有資格者のスキルアップのための研修の実施、国家資格キャリアコンサルタント試験の実施、その他、会員の自主的な活動を含めキャリアカウンセリングに関する以下の事業を行っています。
・キャリア開発に関するセミナー・講演会・交流会の開催
・研究会・啓発交流会の推進
・JCDAジャーナルの発行
国内外のキャリアカウンセリングに関する情報を集約した機関誌を四半期ごとに発行しています。
かなり読み応えのある内容となっています。(とても全頁を読むのはかなり大変なくらいの量です)

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CDA資格の更新について

さて、CDA資格は更新手続きが必要な資格です。

しかも、単に書類を提出すればよいというものではなく、カウンセリングの知識や技術を維持、アップデートすることが求められています。

具体的には、キャリアカウンセリング業務や勉強会・研修への参加などまざまな活動を通じて、5年間で100ポイント以上を取得することが必要となります。
このポイントって少しわかりにくいですね。

必要なポイントを獲得することがどれほど大変か?と

現在キャリアカウンセラーとして活動している方であれば、
その実務経験をポイントに換算できるとので、難しいことではないでしょう。
ボランティアであっても年間120日以上の活動している方は1年間で50ポイント取得できるということになっています。
年間120日未満であっても、1日につき1ポイント、年間上限25ポイントを上限にポイントを積み上げることが可能です。
この点からしても、日常的にカウンセリングを実施している方にとっては、5年間で100ポイントの取得はそれほど難しいものではないですね。

私も以前はこの実務活動を根拠に更新しておりました。
ただ、更新に際しては職場の上司の承認なども必要でした。

では、実務経験の機会がない場合はどうするか?

これが結構大変なのです。

ポイントは、実務経験以外にも書籍を出したり、キャリアカウンセリングに関連する勉強会を行ったり、講演会に参加したりすることで獲得ができます。
他にも有料の講習を受講することも一般的なポイント獲得方法になるかと思います。

ただ、50ポイントの取得はなかなか楽ではありません。

例えば、講習の受講は1時間で2ポイントを取得することができます。
費用は講習の種類にもよりますが、4時間講習で1万円くらい。
単純計算で100ポイント取得のためには、50時間の講習受講と約12、3万円程度の費用がかかります。
加えて、CDAは年会費が7000円かかりますので、
年会費と更新講習で約15万円くらいが5年間でかかります。
年間3万円ですから、資格維持のためのコストとしては
安くはないのではないでしょうか。

実は私が更新をしなかった理由の最大の要因はこの費用の高さでした。

仕事の異動もあり、実務経験を通じてのポイント取得が難しくなったので、講習を受講するしかない状況でした。
勉強会の開催や講演会の参加って、スケジュールの都合や、コミュニティがない人間にとってはなかなかハードルが高いのです。

こうすると講習を受講するしかないのですが、費用が高額すぎるのでは?と思ったのですね。
年会費含め年間3万円は日常的にカウンセリングを行わない身となってしまえば、一体なんのための費用なのか?と
考えてしまったわけです。

国家資格キャリアコンサルタントが創設された時には、CDA資格保有者は単に申請をすることで国家資格キャリアコンサルタント資格も取得できたのです。

すると、国家資格があるのであれば、CDA資格までもっている必要がないよね、という考えにもなります。
対外的に自分のスキルを証明する機会があれば国家資格を持っています、と言えばよいのですから。

CDA資格取得時は結構勉強もしましたし、少しばかりの未練もありましたが、この費用の問題、国家資格の創設を主な理由として、10年近く保有した資格を手放すに至りました。

CDA資格を手放す前に

さて、CDA資格は手放したものの、国家資格キャリアコンサルタントも更新手続きが必要です。

国家資格キャリアコンサルタントの更新のためには知識講習が8時間、技能講習が30時間が最低でも
必要です。
CDAと同様になかなか大変です。
そして、やはりお金がかかります。

ざっくりですが、10万円程度は必要になる見込みです。
受講する講習によってはもっと高額になる場合も少なくないです。

職業上この資格が絶対に必要であれば更新するモチベーションにもつながりますが、そうでない人には更新をためらう人もいることでしょう。

逆に言えば、この程度の更新をためらってしまう方は、キャリアコンサルタントとしての活動もしておらず、
知識や技能についても不十分なのでは?という前提のもとの制度のようにも見えます。

実際、取得だけして、後は何の活動もしていないという人もいるでしょうから、ある意味ではよくできた制度ですね。

しかし。

もし。

将来キャリアコンサルタントに関連する仕事に就く場合、資格を取得をしていることは最低条件として求められます
これは求人サイトを見れば明らかでしょう。

私も現職をこのまま続けるという確信はないですし、将来のこともわかりません。
CDAはやめたにしても国家資格だけは更新しようと思いました。

そして、数ある更新講習を探していたのですが、ここである事実が発覚しました。

JCDAも更新講習を実施している。

そして、CDA会員であることを条件に講習が無料、あるいは割引になるということ。

例えば、知識講習が一般価格10,200円のところが、会員価格はなんと無料。
技能講習も一部講習が無料、無料でない講習も割引価格で受講が可能となっています。
しかも、この講習を受講することでCDA資格資格の更新に必要なポイントの獲得もできる仕組みになっています

これは盲点でありました。

つまり、CDA資格の更新のための講習は国家資格キャリアコンサルタントの更新講習も兼ねることができるという
ことなのです。
しかも、講習費用が安価に抑えられるので、講習の選択次第では、結果的に安価に国家資格も更新でき、かつCDAの更新も併せてできる可能性があるということです。

退会前にこの事実がわかっていれば…

少し惜しいことをした気分です。

もちろん、CDA更新講習にも使え、かつ国家資格キャリアコンサルタントの更新講習とも使える講座となると、選択肢は
限定的になりますので、この点をどう判断するかは考えが分かれそうですが、私と同じ理由でCDA資格の更新をあきらめて
しまう人がいるのであれば、一度、講習講座の内容を確認してみることをおススメしたいです。

さて、既にCDAを退会した場合でもJCDAのウェブサイトに再入会できる可能性が言及されていました。
以下のとおりです。

「退会(資格失効)した方で再度CDA会員としての入会をご希望の方については、入会前に審査をいたします。
(過去に当協会のCDA細則、CDA倫理基準に反する行ないが無く、退会時に未納の年会費がなければ、
一定の条件のもと入会を認めていますが、退会時に未納の年会費がある方は、入会時に未納分の会費を
お支払頂くことを条件に審査させて頂きます。) なお、審査の結果、入会をお断りする場合がありますので、ご了承ください。」

JCDAウェブサイト

なるほど。
再入会できるらしいですね。

私は既にJCDA以外の期間で国家資格キャリアコンサルタントの更新講習を予約してしまったので、再入会は現状では考えていませんが、CDAのコミュニティは大きなものですので、キャリアカウンカウンセラーとしてのキャリアを考える方は、
CDAの更新を前向きに考えてもよいのではないでしょうか。

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