待ちにまった9月26日。
エリート男子のロード世界選手権。
アントワープからルーヴァンまでの268.3km、約6時間。
全て見届けました。
最高すぎです。
面白過ぎです。
まさか6時間もぶっ続けで見てしまうとは思いませんでしたが、時間を忘れてしまうくらい内容の濃いレースとなりました。
世界選手権のレースは、普段のロードレースとは違い国別対抗レースであり無線なしレースでもあり、2021年は
自転車の聖地ともいえる石畳のあるフランドルでの開催となりました。
45カ国の193選手の豪華選手による世界選手権の個人的に感じた見所を自由に書きたいと思います。
絶対的優勝候補であるベルギーによるレース支配
100回目の記念大会となった今回の世界選手権の舞台は自転車が国技であるベルギーが舞台。
スタート地点は3年前に旅行に行ったアントワープのブラボー像のある広場で、ベルギーの美しい街並み、熱狂的なファンもレースを盛り上げてくれましたね。
ちなみに、アントワープ旅行記はこちらをご覧ください。(自転車が関係ないです)
現地メディアでは優勝候補とされるワウト・ワァンアールト(ユンボヴィスマ)の話題一色であったそうです。
そして、序盤からレースを組み立てていたのはワウトのいるベルギーでしたね。
デクレルク(ドゥクーニンク・クイッステップ)が集団を牽引している様子はツールドフランスのレースを見ているようでしたね。
デクレルクはデカレルクじゃないかと思うくらい大きいですし、相変わらず存在感がすごいかったですね。
ただ、今回ベルギー選手の中で最も輝いていたのは同じドゥクーニンク・クイッステップのレムコ・エヴェネプールではないでしょうか。
デクレルク以上に集団を引いてレースを作っていたように思います。
ロードレースの1週間前に開催されて個人タイムトライアル世界選手権でもワウトやガンナには及ばなかったものの早かったですよね。
レース中、フランスが仕掛けるシーンは多かったものの、全体からするとベルギーの思惑通りにレースが進んでいたように思います。
地元開催で王者のレース運びでしたね。
残り50km過ぎの時点で優勝が実質17人に絞られた際は、ワウトが行くんだろうな…と思いました。
かっこよすぎのアラフィリップ
ベルギーが有利かと思いきや、終わってみるとフランスのアラフィリップ(ドゥクーニンク・クイッステップ)の優勝で幕を閉じた世界選手権。
勝因は残り21km以上を残したウェインペルスの坂でのアラフィリップのアタックに象徴されるようアラフィリップのパンチ力と独走力によるところが大きいと思いますが、フランスの戦略によるとこもあるのかな、と思います。
思えばレースを支配していたのはベルギーでしたが、フランスは度々その支配をかき乱していましたね。
ベルギーだけでなく、多くの国の選手がかなりペースを乱され、力を削られたのではないでしょうか。
あのワウトも試合後のインタビューで調子が上がらなかったといっていましたし、フランスの術中にはまったのかもしれません。
しかし、作戦だとしてもアラフィリップの驚異的な個人の力を前提にした作戦であったと思いますが。
一体何度アタックしたのでしょうか。
スプリント勝負を避けるためとはいえ、攻めまくってましたよね。
そして最後に抜け出して勝ってしまうなんて、最高にかっこいい。
特に、マドゥアスに引かせてからの発車は見事でしたね。
心臓がドキドキしましたね。
残り距離、体力、ライバルの位置関係など、様々な要素を計算してのアタックでしたしたね。
自分の強みを最大限に活かし、何度も挑戦する姿がカッコよすぎですし、何より強かった。
ラスト17kmを残してのファイナルアタックをした際、他の選手もお見合いをしてしまったので?と思いましたが、実際相当体力的にもしんどかったのでしょうね。
追いつきたくても追いつけなかったというか、
アラフィリップ、イケメンすぎます。
そして、強すぎ。
ますますファンになりました。
ラストの飛び出しからはまだまだ残り距離がまだ相当あったわけで、どこかで力尽きてもおかしくないよな、と思いましたが、
自分に何度も気合を入れて力強いダンシングで進んでいきました。
結局、追走も力尽きていたようですね。
アラフィリップこそ、アルカンシェルが最も似合う男だと再確認しました。
ベルギーの自転車ファンももう少し応援してあげたらよかったのに。
ドゥクーニンク・クイッステップはベルギーのチームですよ。
まぁ、ワウトの不発でそれどころではなかったのでしょうが。
もっと見たかったスロベニア
コース内容からして、今回のレースではポガチャル(UAE)やログリッチ(ユンボヴィスマ)は優勝候補の筆頭ではありませんでした。
それでも、2021年のツールドフランス、ブエルタを圧倒的な力で優勝した二人には期待しないわけにはいきません。
私の前日の夢ではログリッチが勝っていたのだけど…
結局レースは当初の予定に反して、スプリント勝負にはならなかったので、どこかで独走に持ち込む展開がみたかったなと。
ポガチャル、ログリッチがアラフィリップと競う姿を見てみたかった。
そして、そこにサガンも加わる展開とか。
そういえば、ログリッチは一時集団から抜け出してエヴェネプールたちに追いつき、15人の追走集団を作りましたね。
この時は、もしやこの集団で最後まで行ったりして?などと思ってしまいました。
TTのオリンピックチャンピオンですし、ブエルタでのパンチ力を見てもこのコースでもいけるのでは、期待させてくれましたね。
スロベニアはモホリッチが最後の勝負を決める集団に残っていましたが、ポガチャルはもう少し見たかったですね。
ツールドフランスを見ると、ポガチャルなら何か起こすのではと期待していましたが、今回のレースではほとんど映ることなく残念。
やはり、グランツールと今回のコースでのワンデーレースは状況が違うんですね。
スプリンターはどこへいった?
イタリアのコルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス)を見ているとジブリ映画の紅の豚を見ている気がするのは私だけでしょうか。
あのサングラスがまさにポルコでは…
それはさておき。
コルブレッリ以外のスプリンターは全然目立ちませんでしたね。
イギリスのカベンディシュシュ(ドゥクニック)は早々にリタイアしていましたし、現役最強スプリンターとされるオーストラリアのカレブ・ユアン(ロット・スーダル)が足をつっている姿は今回のレースの激しさを表しているようでした。
ドイツのアッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)は一度も映像で見なかった気がします。(出てたよね!?)
当初は集団でのスプリント勝負の展開になるのではと目されていましたが、度重なるアタック合戦により、思うような
展開にならず、スプリンターたちは見せ場をつくることができませんでしたね。
スロバキアのサガンはピュアスプリンターではないものの、世界選手権3連覇の実績を持っているし、今回のコースであれば、最後にスプリントで勝つ可能性もあるのでは、と思いましたが、全く見せ場がありませんでしたね。
せめて最後の17人に残ってくれたらなと思います。
とくにかく今回のレースは歴代の世界チャンピオンやグランツール覇者、ワールドチームのエースなどが大集結した、とても面白いレースになりました。
普段のチーム別のレースももちろんよいですが、もう少し国別選手権も開催されるといいなぁ。
そして、日本でもアルカンシェル獲得を目指した大会の開催を期待しています!
まずは、来年、Jsportsでオーストラリア開催が観戦できることを楽しみにしています。