先日のUCI世界選手権ロードレース、すごかったですね。
グランツールのシーズンは終わりましたが、これからは大きなワンデーレースも続くので楽しみです。
では、今年注目No.1のワンデーレースとは何か?
そうです。
これは圧倒的に2020東京オリンピックロードレースではないでしょうか。
(パリ・ルーヴぇもすごかったけどね)
私も生観戦してまいりました。
今回はツールドフランスで大活躍した選手が集結した2020東京オリンピックロードレースについて振り返ってみたいと思います。
グランツールのスターが東京を走る
注目されたコースですが、東京の都心を走るのではなく、東京は調布市の武蔵野の森公園をスタートし、富士スピードウェイにフィニッシュする234kmのコースになりましたね。
東京だけでなく、神奈川、山梨、静岡と1都3県にわたる激坂を含むハードなコースが設定されました。
各国から集まった選手のエントリー数は130人。2人が新型コロナウイルス陽性となり、128人のスタートとなりました。
ちなみに日本代表はグランツールでおなじみバーレーン・ヴィクトリアスの新城幸也選手に加え、増田成幸選手も出場していましたね。
さて。
今回のコースですが、個人的には大変思い入れのあるコースというか、馴染み深いコースとなりました。
スタート地点の武蔵野の森公園は、かつてはランニングコースとして何度も走ったことがありましたし、府中はかつて住んでいた街であり、通学路がロードレースのコースになるなんて感慨深いです。
特に、大國魂神社の参道を走るとは思いませんでしたね。
とても絵になる風景でした。
ところで、アクチュアルスタートは多摩川にかかる是政橋でしたね。
こちら、私の現在のサイクリングコースでもあります。
空撮からの是政橋はなかなか見応えがありましたね。
そして。
これまた私のサイクリングコースでもある尾根幹は結構アップダウンのある道なのはず。
しかし、さすがは各国の猛者ですね。
軽やかにどんどん進んでいきます。
ウォーミングアップにもならない、みたいな感じで走る姿はすごいです。
どうやら尾根幹はトイレの場にもなっていたようですが…
それでも、相模原を抜けた後のコースは劇坂を含む激しいエリアでしたね。
レースが動いたエリアでもありNHK(BS)のダイジェスト映像はほぼこの山岳ステージの映像が
中心に編集されていたようでした。
東京オリンピックとはいえ、ロードレースについては東京はちょっと立ち寄った程度のコースであったようです。
各国エース対決を制したカラパス
では、レースも一応振り返っておきましょう。
是政橋のアクチュアルスタートの後はすぐに逃げ集団ができましたね。
ユライ・サガン(スロバキア)、ニコラス・ドラミニ(南アフリカ)らが勢いよく飛び出しました。
ドラミニは直前のツールドフランスでは途中リタイアをしていたので、頑張ってほしい選手の一人でした。
ホントはお兄さんサガンも、ペーター・サガンが出場していない分目立ってほしい存在です。
この逃げ集団、かなり頑張ったんですかね。
メイン集団との差がかなり広がりました。
タイム差20分!
山岳ステージとはいえ、大丈夫?と思うほどでしたね。
ここで、見せ場を作ったのは前回リオ五輪の金メダリスト、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(ベルギー)とトラトニック(スロベニア)でしたね。
この二人の引きは迫力がありました。
そして。
メイン集団のペースが上がる中、アタックをかけたのはタディ・ポガチャル(スロベニア)!
なんとツールドフランスから6日しか経っていないのにすごいです。
どんだけ体力があるのでしょうか。
時差とかもあるはずなのに…
やはり超人は一般人の常識をはるかに超える世界にいるのだと感じさせます。
直前のツールドフランスを見ていた身からすると、このまま抜け出してしまうのでは?
と思ってしまうほど。
しかし、このアタックにはUAEのチームメイトであるマクナルティ(アメリカ)とマイケル・ウッズ(カナダ)がついていきましたね。
残念なのは、この辺りからログリッチ(スロベニア)が遅れてしまったことです。
個人的には最も期待していた選手なのですが。
まぁ、ポガチャルがいったから、遠慮するか、という感じだったのでしょうか。
そもそもスロベニアはポガチャルとログリッチのどちらがエースの予定だったのですかね。
ダブルエースだったのでしょうか。
この辺りも不明なところです。
結果的にログリッチはタイムトライアルで金メダルを獲得したのでここで頑張りすぎなくてよかったのかもしれません。
ともかく。
この辺りから特にレースが面白くなっていきましたね。
結局、飛び出したポガチャルも追走に吸収され、その後は各国のアタック合戦が続きました。
アシストもいなくなった状態での各国のエース同士のぶつかり合いは見応えたっぷりでした。
思えば、最終的に残った13人の選手の顔ぶれはかなり豪華だったと思います。
ポガチャル(スロベニア)、ベッティオル(イタリア)、ウラン(コロンビア)、クフィアトコフスキー(ポーランド)、ウッズ(カナダ)、カラパス(エクアドル)、マクナルティ(アメリカ)、フルサン(デンマーク)、シャフマン(ドイツ)、アダム・イェーツ(イギリス)、ゴデュ(フランス)、モレマ(オランダ)にワウト・ファン・アールト(ベルギー)。
このメンバーが日本に集結しているだけでもすごいですが、ツールドフランスでの激突を再度、オリンピックで見ることができるのも嬉しいことです。
普段はアシストであるマクナルティやクフィアトコフスキーがどんな走りをするのかも楽しみでありました。
ただ、この時点では、やはりポガチャルが最有力かなという印象でしたね。
自らアタックを仕掛けたり、アタックをつぶしたりと、強さを見せつけていました。
しかし。
アタック合戦の終わりはラスト25kmでした。
マクナルティがアタック、そしてツールドフランス総合3位のカラパスが反応していきます。
この動きは同じチームメイトだからか、脚を使ってしまったせいか、ポガチャルが反応しません。
その後、タイム差は徐々に広がっていきます。
ある程度、ポガチャルを含む追走集団は先頭交代はしているようでしたが、最後のスプリントに備えてか、
あまりスピードが上がりません。
これはもう進むしかないカラパス、マクナルティとゴールスプリントを見越して力を残したい思惑のため、
駆け引きをしてしまうグループの差が出てしまったように思います。
猪木の「迷わず進め!行けば分かるさ!」の明言を追走集団にも届けたかった…
カラパスはこの猪木の言葉通り、迷いなくひたすらペダルを踏んでいましたね。
ツールではポガチャルに完敗してしまいましたが、ラスト5.9kmでマクナルティを追いての更なるアタックは
切れ味たっぷり。
思えば、登りではアタックもせず、またアタックをつぶすこともせず存在を隠していたカラパスは脚を残していましたね。
結果、エクアドル史上2個目という金メダルを獲得しました。
おめでとう。
カラパス。
お見事でした。
しっかりと力を温存し、タイミングを見ての反応はさすがでした。
実力はもちろん、勝負所の見極めがすごかった。
ツールドフランスの雪辱を晴らしましたね。
エクアドルは2名での参加だったことを考えると相当頑張ったのだと思います。
そして、2位争いのゴールスプリントも見応えありましたね。
追走に残った8人の中からアダムイェーツがスパートし、それにつられ、ワウトとポガチャルが最後はハンドルを
投げだしました。
結果はワウトは銀メダル、ポガチャルが銅メダルでしたが、ポガチャルはスプリントでも結構強かったですね。
ゴールスプリントといえば、ダイジェスト映像には映っていませんでしたが、日本の新城選手もゴール前に
他の選手に促され、スプリントをしていたのをご存知でしょうか。
しかし、他の選手もスプリント!
新城選手の見せ場をつぶしてくれました。
ここは空気を読んでほしかったな。
それでも、バルベルデやキンタナといった有力選手も遅れる中(ゲラント・トーマスはリアタイしてましたね)、新城選手は
見事な走りを見せてくれました。
グランツ―ルでもステージ優勝を狙ってほしいですね。
バーレーン・ヴィクトリアスも実力を認めて自由に走らせてほしいところです。
観戦記録
思えば、ロードレースの開催された当時は感染拡大中につき観戦自粛が呼びかけられていましたね。
しかし。
ごめんなさい。
一生に一度のオリンピック。
しかも超有名選手が集結するロードレースは見逃すわけにはいきません。
(トライアスロンはお台場が開催地ということもあり観戦自粛いたしました)
八王子の南大沢駅に陣取り、観戦をしてまいりました。
駅前のスターバックスで選手の進み具合をgorin.jpで把握し、先頭集団が尾根幹を抜けたあたりで外へ。
しかし。
なんたる人混み。
こんなにロードレースって人気あったっけ?
どうやら三井アウトレットパークに来たお客さんが集まっていた様子。
そりゃ、オリンピックですかね。
にわかでも見てみたい気持ちはとてもわかります。
橋の上からはよく見えるだろうと思ったのですが、選手が小さすぎました。
追走集団は間近でみたい!
と思い急いで階段を下ります。
ここで痛恨のミス。
逆の車線に来てしまった。
今から反対車線に行って、、、なんてしたら見逃してしまうかも。
と思い、仕方なくこのまま観戦です。
それでも、間近で見ることに成功。
おそらく選手がかなりゆったり走っていたと思われますが、かなるのスピードでした。
そして、各国のチームカーの多さにも驚き。
空撮のヘリコプターなどもいて、グランツールの現場のようでした。
オリンピックはほぼ間違いなく、国内開催は私の生涯ではこれが最後でしょう。
しかし、日本でも同じようなメンバーが集まる大会が今後期待されることを祈ります!