今回の旅を振り返るシリーズは2019年、ベルギーはアントワープの旅であります。
目的はルーベンスの「キリストの昇架」を見るためであります。
この絵は子供の頃に絵本で知りました。
そうです。フランダースの犬ですね。
フランダースの犬はアントワープ郊外に住む画家を夢みるネロとその愛犬パトラッシュが登場する物語ですね。
内容は周知と思いますので省略しますが、今にも力尽ききそうなネロが最後に辿り着いた先がノートルダム大聖堂にあるキリストの昇架の前でした。
原作ではどのように書かれているかわかりませんが、少なくとも、私が読んだ絵本には確かにその絵が描かれていたわけです。
なぜか、その絵だけはやけに印象に残っていて、いつか観てみたいな、と思っていたわけであります。
アントワープはブリュッセルから列車で45分ほど。
かなりオランダに近いところに位置した人口50万人ほどの都市であります。
ヨーロッパの列車は長距離移動を前提に設計されているのか、広くて快適ですね。
車窓を見ているとすぐについてしまいました。
巨大の手のオブジェがある駅舎からノートルダム大聖堂へ
さて、驚いたのは駅です。
かなり立派。もはや、この駅も1つの観光名所でしょう。
実際に写真を撮っている人もたくさんいました。
このアントワープの中央駅は1895年から10年の歳月をかけて造られたそうで、ベルギーの重要文化財にも指定されています。
どうりで立派なわけだ。天井も高いです。
それと、こんな大きな手のオブジェも。
そもそも、アントワープという言葉は「手を投げる」という意味があるそうなんです。
なるほど、だから「手」のオブジェなのですね。
駅舎を堪能した後はノートルダム大聖堂へ向かいます。
歩くと距離が2kmくらい?結構距離があるのですが、今回は徒歩でいってみました。
駅からのストリートは歩行者天国になっているようで、人通りもにぎやかでした。
ダイヤモンドのショップがたくさんあります。
そうです。
アントワープはダイヤモンドの研磨で有名な街です。
オランダでおなじみのHEMAや日本のユニクロなんかもあります。
通りには美味しそうなチョコレートのお店も。
なかなか美味しいです。
こちらは、ルーベンスの家のチケットショップ。
そう、アントワープにはルーベンスの住居が残っているのです。
マルクト広場付近の魚屋でランチ
さてと、大聖堂に近くにやってきました。
ここはマルクト広場です。
ところで、ブルージュの広場もマルクト広場といいましたね。
あれ?
同じ名前だけど…
と思われるかもしれません。
そうです。「マルクト」とはマーケット、すなわち「市場」のこと意味するのです。
固有名詞とはまた違った表現なわけですね。
ともなく、市場がある辺りは街の中心であることは共通ですね。
アントワープといえば、市庁舎の前にあるこのブラボー像も有名。
これ街に悪さをした巨人の手を投げているところだそうです。
躍動感がありますね。
一体どこへ投げるのか。
個人的には「巨人」というキーワードに少し反応してしまいました。
”進撃の巨人”のファンですからね。この手の大きさからすると、そこまでの巨人ではなさそうですね。
3~4m級でしょうか。
それはそれとして…進撃の巨人ってどこの国が舞台なんでしょうね。
なんとなくヨーロッパっぽいですよね。
さて、絵を見る前にまずはランチです。
近くにあった元気のよさそうな魚屋さんでランチです。「DE NOORDZEE」と書いてあります。
店内には子供たちが描いたような絵がたくさん飾られていました。
こういうお店はだいたい雰囲気がいいですね。
陽気なお兄さんに調理をしてもらう具材と調理方法を伝えて、料理を作ってもらうというシステムになっておりました。
この時、動画も撮影させていただいたのですが、とても気さくな方でした。
楽しそうに調理をしてくれるお店はやっぱりいいですね。
出てきたのがこちら。
美味です。
塩加減もちょうどよい。
味もとても美味しいです。
ベルギーは魚のイメージがないですが、もし行く機会があれば、このお店はお勧めできます。
お値段も他のレストランに比べたら安い方でした。
ノートルダム大聖堂でルーベンスの大作を見る
それでは、いよいよ目的のノートルダム大聖堂へ。
聖堂の前にはネロとパトラッシュが。
フランダースの犬の世界です。
ちなみに、フランダースの犬はベルギーではあまり知られていないらしいのです。
あまりに悲しい話なので、出版が控えらたそうです。
ここを訪れる日本人が多いがために、できたのかもしれませんね。
ノートルダム大聖堂ですが、近くでみると大きい。
塔の高さは123m。
1352年から約170年の歳月をかけてつくられた大聖堂がさすがに立派です。
工事中なのは残念でしたが。
中はこんな感じ。
聖母被昇天。
そういえば、この絵は、オランダのデンハーグにあるマウリッツハイス美術館に油絵がありました。
どうやら、祭壇画を描く前の準備として、油彩で描かれたりするそうです。
キリストの降架
そして、待っていました。
キリストの昇架です。
おお。
大きい。
すごい迫力。
筋肉の感じとか、特にすごいです。
しばらくその場から動かずじっと眺めてみました。
フランダースの犬の物語では、ネロはこの絵が見たくて仕方がなかったわけです。
物語の世界とはいえ、こうして遠く異国の地からきても飛行機に乗ってくれば簡単に見ることができるのです。少し、複雑な気分になりました。
このアントワープという街。
ノートルダム大聖堂が一番のメインではあると思いますが、街も賑やかですし、楽しいところです。
ブリュッセルからは十分日帰りで行くことができるので、ベルギーに滞在する場合などに立ち寄ってみるのもいいかもしれませんね。